今回、マンションの駐車場入口に設置するドアについて考えることになった。
正直に言うと、最初から強いこだわりがあったわけではない。設計士に相談したところ、「アルミシャッターで問題ないと思いますよ」と言われ、それならそれでいいか、という気持ちで話は進みかけていた。

そんなある日、たまたま通りかかった道で、目に留まった駐車場があった。
これまで見慣れてきたシャッターとは明らかに雰囲気が違い、入口全体がすっきりとしていて、建物との一体感がある。そのとき初めて「オーバースライダー」という存在を意識した。機能というより、まず直感的に「いいな」と感じたのを覚えている。
気になって仕方がなくなり、そのことを設計士に伝えてみた。しかし、これまで取引のあるメーカーでは、私が見たようなデザインや色合いの製品が見つからないとのことだった。選択肢が限られていると聞き、少し残念な気持ちになった。
そこで思い出したのが、あのオーバースライダーが設置されていた場所だった。
思い切って立ち寄り、話を聞いてみると、それが「コアド」というメーカーの製品だと分かった。実物を前に説明を受けるうちに、デザインだけでなく、仕上げや考え方にも共感できる部分が多く、ここなら任せてもいいかもしれないと思うようになった。
その後、設計士にコアドのことを伝え、改めて話を進めてもらった。
デザイン、カラー、オプションの最終確認をお願いされたときは、「こんなに選べることがあるのか」と少し驚いたほどだ。悩みながらも一つずつ決め、すべて選択し終えたあと、不思議とこちらから気にすることはなくなった。
というのも、その後は設計士からも工務店からも、細かな連絡がほとんどなかったからだ。
途中経過が見えないことに少し不安もあったが、結果的にはそれだけ現場がスムーズに進んでいたのだと思う。

工事が終盤に差しかかった頃、設計士から連絡があった。
「今回、コアドとは初めて一緒に仕事をしましたが、ここまで噛み合ったのは初めてです」と率直な感想を聞かせてくれた。設計データの共有や、修正が必要な技術的な問い合わせにも、対応が早く正確で、作業が止まることがほとんどなかったそうだ。
工務店からも同じような話を聞いた。
現場では床のレベルや壁の仕上げなど、調整が必要な場面もあったが、その都度すり合わせを行い、工程を崩すことなく予定通りに工事を終えることができたという。
特に印象に残ったのは、床レベルにわずかな誤差が出た際の対応だった。
コアドの直営スタッフが「この程度であればこちらで対応できます」と自然に引き受け、工務店のミスとして強調することなく、きれいに収めてくれたそうだ。互いを責めるのではなく、カバーし合う姿勢がとても気持ちよかったと聞いている。
工事完了後には、現場の所長に対して、オーバースライダーの使い方や、万が一トラブルが起きた際の注意点まで丁寧に引き継ぎが行われた。
その話を聞いたとき、目に見えない部分まできちんと考えられているメーカーだと感じ、安心感が増した。
完成した駐車場入口を実際に見たとき、最初に道で見かけたときの印象が、そのまま自分の空間に重なったような気がした。
動きは静かでスムーズ、見た目も建物に自然に馴染んでいる。ただの「入口」だった場所が、建物全体の印象を引き締める存在になった。

今回のオーバースライダー設置は、結果的に設計士、工務店、そして私自身にとっても、とても良い経験になった。
設計士から「良いメーカーを紹介してもらえて助かりました」と言われたときは、こちらまで嬉しくなった。
偶然見かけた一つのドアから始まった話だが、今振り返ると、この選択は間違っていなかったと思っている。
もしこれから駐車場や倉庫の入口ドアを検討している人がいるなら、機能だけでなく、空間全体との相性や、メーカーの姿勢にも目を向けてみてほしい。
そうすれば、きっと納得のいく選択につながるはずだ。